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防音工事業者選びに失敗しないためのポイント!危険な業者の特徴と防音工事の費用相場

近年では、日常生活上にある音の問題を解消する目的で、自宅の防音工事を検討する方が増えていると言われています。マンション暮らしの方が増えているなど、人々の生活空間が近くなったことにより、日常生活の中で誰でも生じさせる可能性がある生活音による騒音トラブルが急増しており、そういった音の問題を解消する目的の防音工事が増加しています。また、コロナ禍以降は、日本国内にもテレワークが広く普及したこともあり、自宅に静かで仕事に集中できる環境が欲しいと考える方が増えたことも、防音工事の需要が高くなっている要因の一つでしょう。現在では、建売住宅業界で「防音室付き」の物件が人気になっていると言われていますよね。

ただ、年々防音工事の需要が高まっている中では、工事後に防音工事業者とトラブルになってしまうケースも増えていると言われています。例えば、防音工事後に音の問題を解消できていない…、工事後に高額な請求をされた…など、リフォーム業界に昔から存在する消費者トラブルが防音工事業界でも増えていると言われているのです。

そこでこの記事では、今後、自宅の防音工事を検討した際、業者選びに失敗しないためにおさえておきたいポイントなどについて解説します。なお、記事内では、近年お客様からの相談が増えている部分的な防音工事の費用相場も簡単にご紹介します。

防音工事業者選びのポイント!失敗を防ぐためのチェックポイント

防音工事に関わるトラブルが増えていると言われている現在、音の問題を解消するためには、一番最初の業者選びの重要性が年々高くなっています。というのも、防音工事の成否は、防音に関する知識と経験を豊富に持っている業者に依頼できたのかが非常に重要で、最初の業者選びに失敗してしまうと、ほぼ確実に音の問題を解消することができないと言われているからです。

それではなぜ、防音工事業界で消費者トラブルが増えているのでしょうか?この問題については、悪意を持ってお客様を騙そうとする業者が増えているわけではありません。工事後にトラブルになる場合でも、施工業者の多くは良かれと思って工事を行っている場合がほとんどなので、見極めが非常に難しいのです。人々の生活空間が近くなった現在、音の問題を抱える人が増えたことで、防音工事の需要が高まっています。そして、需要の高まりに比例して、防音工事の専門家ではない、一般のリフォーム業者が防音工事業界に参入しているのです。これは、防音工事に使用する建材の性能が飛躍的に向上しており、そういった材料を使えば知識が無くてもある程度の防音効果が得られるのが原因でしょう。要は、高額な防音材を使用すれば、誰が工事を行っても高い防音効果が得られると考えている人が増えているのです。

防音工事は、パッと見では単純な工事のように見えますし、長く内装リフォームに従事していた業者であれば「自分でもできるのではないか?」と考えてしまうのだと思います。しかし、防音工事はそのような単純なものではないため、技術を持たない施工業者に工事を依頼した場合、聞いていた性能が出ていない…とトラブルになるのです。それでは、正しい業者選びは、何に注意すれば良いのでしょう?ここでは、「この業者に依頼するのは危険かな?」と判断すべき代表的なポイントをいくつかご紹介します。

①営業マンの知識不足は危険

防音工事は、お客様が抱えている音の悩みについて、どのような音の問題なのか、また現在の住環境がどうなっているのかを確認したうえで、防音工事の計画を立てます。つまり、一度お客様のお宅にお伺いし、現地調査を行わなければ、適切な対策を立てることができないわけです。そして、現地調査にやってきた営業マンの対応は、業者を見極めるための重要なポイントになります。

一般的なリフォームであれば、現地調査に来るのはお客様の窓口となる営業マンとなります。施工に関しては、専門的な知識と技術を持つ職人が行うものの、セールスに関しては、営業の担当者がつけられるのが通常ですよね。ただ、防音工事は、単に見た目を良くすれば良いのではなく、「どのような種類の音が問題となっているのか?」「なぜその音が防げていないのか?」を現地調査で見極めなければならないため、防音に関する知識が必要不可欠なのです。防音工事後にトラブルに発展するケースでは、現地調査に来た営業マンの知識が不足していた…というケースが非常に多いので注意しましょう。

防音に関する知識が乏しい営業マンの場合、あなたが抱えている悩みに対して、適切な対策の提案ができない可能性が高いです。したがって、知識のない営業マンとの打ち合わせをもとに、防音工事を進めた場合、契約通りの工事が完了したとしても、「希望していたような性能を発揮していない…」なんてことになるパターンがあるのです。
満足のいく防音工事を行ってもらうためには、最初の現地調査の段階で、防音工事に関する知識を豊富に持った担当者が来ているのかを確認しましょう。現在の音の悩みがなぜ発生しているのか、どのような対策が必要なのか、専門的な質問をしてそれを分かりやすく明確に答えてくれるかどうかで判断すると良いでしょう。

②見積書の内容に不明点が多い業者は注意

防音工事業者が提出してくる見積書も、業者選びの重要ポイントになります。そもそも見積書というのは、それを見たお客さまが、どのような材料を使ってどんな工事を行い、それにいくらかかるのかが一目でわかるように作るものです。それなのに、防音工事の内容が全く分からない「一式」見積りを提出してくる業者が危険です。防音工事では、特殊な防音材料や、高性能な建具をたくさん使用する工事なので、細部まで確認して、不明点があれば質問できるようにするのが望ましいです。

しかし、見積り書の内容を一式でまとめられると、「どのような工事が行われるのか?」「どんな材料が使われるのか?」がお客様にはわかりませんし、何が不明点なのかすら分からないといった状況になるのです。したがって、一目で何が行われるのか判断できないような一式見積りを提出された場合、その業者は候補から外すのがおすすめです。

なお、見積り書には、使用する材料の品番などもきちんと記載してもらいましょう。これは、実際の工事に入ってから、契約通りの材料が使用されているのか確認するためにも必要ですし、他の業者よりも総額が安い理由が「グレードの低い材料を使用しているから」と言った事態を防ぐのが目的です。
優良な防音工事業者であれば、見積り書を見ただけで「どのような材料を使ってどのような作業を行うのか?」がイメージできる物を提出してくれるはずです。そして、そのような見積り書なら、事前に細部まで確認できるため、防音工事の失敗を防ぐことができるはずです。

③根拠のない値引き交渉は危険

防音工事は、通常の住宅リフォームと比較すると、どうしても工事にかかる費用は割高になってしまいます。そのため、業者側が「値下げ」の提案をしてきた場合、非常にありがたいと考えてしまいますよね。しかし、いくら値引きしてくれると言っても、根拠のない大幅な値引きの提示は注意が必要です。

リフォーム業界ではよくあるのですが、200万円の見積りが提示され「予算オーバーなので今回は諦めます…」と返答した時、業者側から「それなら今回限り150万円でどうですか?」など、大幅な値引きを提示してその場での契約を迫られるケースが少なくありません。ちなみに、このタイプの業者は、基本的に危険な業者と断定できますので、こういった交渉を持ちかけられた時には、予算内まで費用を下げてくれるとしても交渉は打ち切った方が良いです。

この場合、そもそも最初に提示した見積り金額の根拠も分からなくなりますし、工事を依頼した場合には、きちんと正確な工事を行ってもらえるのか何の保証もありません。最悪の場合、隠れてグレードの低い材料を使用されることで、性能の低い工事になってしまう…なんてことも考えられます。
防音工事は、使用する材料のグレードや量を調整することで、工事にかかる費用を調整することができるのは事実です。ただ、まともな業者であれば、きちんと値引きできる根拠も一緒に提示してくれるはずなので、「それでも工事を依頼するかどうか?」慎重に検討することができるようになるのです。例えば、「防音性能が多少下がるので、夜間の楽器の演奏は難しくなりますが、それでも良いのなら50万ほど下がります」「もう少し狭い部屋に工事を施すなら安くできます」など、きちんと値引きの理由も提示してくれます。このような対応をせずに、「今、契約してくれるなら値引きします」といった業者は危険と判断しましょう。

防音工事の費用相場について

悪質な防音工事業者と契約して、後から工事に失敗した…と後悔しないためには、そもそも防音工事にどれぐらいの費用がかかるのか、その相場を掴んでおく必要があります。ある程度でも相場が分かっていれば、不当に高額な業者と契約するのを防ぐこともできますので、ここでは代表的な防音工事の種類について、それぞれの費用相場を簡単にご紹介します。

足音対策のために床の防音工事を行う

マンション暮らしの方が増えている近年では、上下階の住人同士で騒音トラブルを抱えるケースが増えています。例えば、小さなお子様が家の中を走り回る時に足音が階下に響く、ペットを飼育している場合、カチャカチャと言った爪音が階下に響き、足音に対する苦情を言われてしまう…というパターンです。

このような足音の問題については、床の防音対策を施すことで、足音が伝わらないようにするという防音工事が有効です。例えば、床材の下に遮音材や吸音材を設置することで、音の伝わりを防ぐ、さらに床材を遮音性の高いフローリング材に交換するといった対策が多いです。床の防音工事に関しては、施工面積や採用する工法などによって変わりますが、20~60万円程度が費用相場となります。
なお、コストをかけずに足音対策がしたい場合、タイルカーペットや防音マットなどを購入し、自分たちで設置するという方法が考えられます。

壁の防音工事の費用相場

次は壁の防音工事についてです。例えば、集合住宅にて、隣人と生活時間が異なり、就寝したいのにTVの音声や話し声に悩む…なんて方からの相談があります。この他にも、戸建てにおける家族間の騒音問題で壁の防音工事を検討する方も多くなっています。

壁の防音対策をしっかりと行いたい場合、既存壁を一度解体し、壁の中に吸音材や遮音材を設置するという方法が採用されます。そのため、高い防音性を求める場合、元の壁よりも分厚くなるので、部屋が少し狭くなると考えておきましょう。工事にかかる費用については、6畳程度の部屋の壁を防音壁にする場合、最大で70万円程度を想定しておけば良いでしょう。もちろん、工事を施す壁の面積ば大きくなれば費用が高くなります。

なお、壁の防音に関しても、DIYによる対策が可能になっています。近年では、ネット通販やホームセンターなどに、壁用の防音パネルが販売されており、それを壁に隙間なく設置することで、ある程度の防音効果を期待できます。なお、壁の防音対策について、外部騒音の侵入を防ぎたい場合は、壁だけでなく換気口の対策なども必要です。

窓の防音工事の費用相場

外部騒音の悩み解消を目的とした場合、窓の防音工事を進められる場合が多いです。窓は、壁などと比較しても、非常に薄い素材であることや、構造上小さな隙間を完全に埋めるのが難しいという点から、音の侵入、漏れの原因となるのです。

この窓の防音工事については、既存窓の内側にもう一枚窓を設置する二重窓工事や既存窓ガラスを防音性の高い窓ガラスに交換するといった対策が施されまます。費用的には、1箇所当たり5~15万円程度が相場で、窓の大きさや採用する窓ガラスの種類によって変わります。

費用をかけずに窓の防音をしたい場合、防音カーテンを設置するという方法がありますが、二重窓などと比較すると、その効果はかなり低くなります。

防音室工事

最後は、自宅に防音室を用意する場合の費用についてです。防音室工事は、既存の部屋を防音性の高い部屋に作り替える工事のことを指しています。

ただ、防音室内でどのような音を発生させるのかによって、防音室に求められる性能がかなり変わり、工事にかかる費用も違ってきます。例えば、6畳程度の部屋をピアノの演奏が可能な防音室にしたいという場合、200万円前後が防音工事の費用相場となります。ただ、同じ楽器用防音室でも、ドラムなどの打楽器の演奏を想定している場合、工事にかかる費用は500万円を超える可能性があります。

近年では、コロナ禍以降テレワークが導入され、現在でも在宅勤務という形態が継続されているという方からの防音室の相談が増えています。ちなみに、この場合の防音室は、そこまで大きな音をが生じるわけではないので、求められる性能はそこまで高くありません。したがって、部屋の広さにもよりますが、50~100万円程度で防音室を作ることも可能です。

まとめ

今回は、これから自宅の防音工事を検討している方に向け、希望通りの防音工事を実現するためにおさえておくべきポイントをご紹介しました。

記事内でご紹介しているように、防音工事に需要の高まりに比例して、防音工事業界に参入するリフォーム業者が増加していると言われています。そして、そのような知識のない業者に防音工事を依頼して、完成後に「こんなはずじゃなかった…」とトラブルになるようです。防音工事は、通常の住宅リフォームと比較すると、割高な価格設定になる場合が多いため、相見積もりをした際には「総額の安さ」に着目する方が多いです。もちろん、安く工事できることに越したことはないのですが、「安かろう悪かろう」の工事になってしまうと本末転倒なはずです。

防音工事は、何よりも業者選びが重要な業界で、最初の業者選びさえしっかりすれば、工事に失敗するなんてことはほぼありません。したがって、上で紹介したポイントをきちんと確認しながら、信頼できる業者を探しましょう。