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グランドピアノは一般家庭でも置けるの?一般住宅にグランドピアノを設置する時のポイント

自宅にピアノを設置しようと考えた時には、まず「どのタイプのピアノを購入するのか?」という問題が立ちはだかります。ピアノには、グランドピアノなどのアコースティックピアノと呼ばれるタイプと、演奏音で他人に迷惑をかけないようにすることができる電子ピアノ、大きく二つの種類に分けることができます。電子ピアノは、音量調整などができるものの、コンクールなどで使用するアコースティックピアノとはタッチが異なることから、本格的にピアノを習わせたい時にはアコースティックピアノが選ばれる場合が多いです。ただ、アコースティックピアノにも、アップライトとグランドピアノの二種類が存在していて、特にグランドピアノは、本体の大きさから「一般家庭には置けないのではないか?」と言った不安が先立つようです。

グランドピアノは、富裕層の豪邸などに置かれているというイメージが強いですが、一般住宅にグランドピアノを設置することはできるものなのでしょうか?これについて、答えから言ってしまいますが、一般家庭でもグランドピアノを設置することは何の問題もなく可能です。また実際に、一般住宅でグランドピアノを見かけることも非常に多いです。

もちろん、グランドピアノを設置するためにはそれなりに広いスペースを用意しなければならないため、どのような条件でも設置できるとは言えません。そこでこの記事では、自宅にピアノの設置をしたいと考えている方に向け、グランドピアノを購入しようと思った時に確認すべきいくつかのポイントをご紹介します。

アップライトではなく、グランドピアノを選ぶ理由

冒頭でご紹介したように、グランドピアノは富裕層の豪邸に設置されるイメージを持っている方が多いです。これは、アップライトピアノと比較すると、設置のために必要になるスペースがかなり大きくなるためなのですが、グランドピアノは一般家庭でも普通に購入して設置されている方は多いです。

こう聞くと「コンクール入賞を目指している」など、本格的にピアノの練習をしている方だけでしょ…と感じるかもしれませんが、実は賃貸マンションや趣味でピアノを演奏している、子供部屋に置いているなど、さまざまなご家庭でグランドピアノが設置されているのを見かける機会があります。実は、皆さんが思っている以上にグランドピアノの敷居は高くなく、普通に所有されている楽器の一つなのです。

ちなみに、アコースティックピアノの中でも、アップライトではなくグランドピアノを選んでいるには、以下のような理由があるからです。

グランドピアノでないとできないことがある

アコースティックピアノでも、グランドピアノを選ぶ方の多くは、同じピアノでもアップライトピアノにはできないことがあるからという理由でグランドピアノを選んでいるケースがほとんどです。例えば、グランドピアノには以下のような特徴があります。

  • 鍵盤の構造が異なるので、アップライトピアノよりも繊細な表現が可能
  • ペダルの構造の違いから、アップライトピアノではできない演奏法が可能
  • アップライトピアノとは譜面台の高さに違いがあるので、演奏時の姿勢が変わる

グランドピアノとアップライトピアノには、上記のようなさまざまな違いが存在します。

そのため、「ピアノ教室のレッスンではグランドピアノを使用する」「自宅練習ではアップライトや電子ピアノを使用する」なんて環境になると、教室と自宅での演奏環境に大きなギャップが生じてしまうのです。また、コンクールや発表会などで使用されるのはほぼ確実にグランドピアノなので、演奏法の違いなどからアップライトピアノだけで練習したのでは実力を最大限発揮することができなくなるとされているのです。

こういったさまざまな違いがあることから、グランドピアノを求める方が少なくないのです。

一般家庭がグランドピアノを購入する際のポイントについて

それではここから、実際にグランドピアノを購入しようと考えている方に向け、グランドピアノ選びの際に注意しておきたいいくつかのポイントを解説します。

ピアノメーカーについて

一般家庭にグランドピアノを設置する場合、ヤマハかカワイの日本メーカーのグランドピアノがおすすめです。

グランドピアノを製造するメーカーは他にもさまざまなところがあるのですが、価格やピアノの品質などを考えると、ヤマハとカワイの2択だと思います。
例えば、グランドピアノメーカーとしてはスタインウェイやベーゼンドルファーなど、欧米のメーカーが有名ですが、この辺りのグランドピアノは1台1000万円を超えることも珍しくないなど、高額すぎるため一般家庭向きとは決して言えません。ちなみに、ヤマハやカワイなど、国内主要メーカーのグランドピアノは、150万円~と言った感じです。(これでも決して安くはありませんが…)
最近では、中国や韓国製のグランドピアノなども手に入るようになっていますが、この辺りのピアノは安価だけど長く使っていくことを考えると、不安が残るため、あまりおすすめとは言えません。

もちろん、購入するピアノに関しては、自由に選んでもらえば良いのですが、価格と品質のバランスを考えると、ヤマハやカワイなどの国内主要メーカーの物が最もオススメです。

サイズについて

グランドピアノは、他の種類のピアノと比較すると、その大きさに注意しなければいけません。ピアノを設置する部屋にあせて大きさを選ぶ必要があるのですが、一般住宅の場合は奥行き180cm以内の物を選ぶのがおすすめです。グランドピアノのサイズに関しては「ピアノの防音を考えるなら、アップライトピアノとグランドピアノの違いはおさえておこう!」という記事の中で紹介していますので、こちらもぜひご参照ください。

グランドピアノは、大きいほど迫力と繊細さを兼ね備えているという特徴があるのですが、部屋のサイズギリギリになってしまうと、以下のようなデメリットが生じます。

  • 音が響きすぎるため耳が疲れる
  • 圧迫感がある
  • 部屋の中に他の物を置けなくなる

一般住宅に防音室を作る際には、6畳程度の部屋に防音工事を施し、グランドピアノを設置する場合が多いのですが、この場合、奥行き180cm以内の物が最もオススメと言えます。なお、防音室の仕上がりが4畳半以下になる場合は、コンパクトグランドピアノと呼ばれるタイプを視野に入れるべきです。

※ヤマハさんのHP内には、ピアノ設置シミュレーションができるページがあるので、どのタイプが置けるか気になる方は以下のページを確認してみましょう。
ピアノ設置シミュレーション

グランドピアノの価格について

グランドピアノを購入する際には、「いくらぐらいかかるのか?」が心配になると思います。一般家庭に設置するグランドピアノは、奥行き180cm以内の物がおすすめで、ヤマハなら「C1X〜C3X」カワイなら「GX1〜3」となります。

また、コンパクトグランドピアノを選ぶケースも考えると、国内メーカーの物であれば税抜き価格で1,100,000円〜2,500,000円ほどが相場になるでしょう。ちなみに、グランドピアノは上を見ればきりがないほど高い物もあり、海外の主要メーカーの物であれば1,000万円をゆうに超えるピアノもあります。

さらに、一般家庭にグランドピアノを設置する時に忘れてはいけないのが、グランドピアノを思い切り演奏できる環境を作るための防音工事の費用です。自宅にグランドピアノまで設置するわけですので、時間帯を気にせずに練習したいと考えているはずです。しかし、グランドピアノは、演奏音はもちろん、ピアノ全体を振動させて音が生じる構造から、振動音による騒音トラブルの可能性があるのです。したがって、騒音問題を気にせずにグランドピアノの演奏を行いたい場合は、本格的な防音室を作る必要があります。グランドピアノ用の本格的な防音室は、6畳程度の防音室を作る場合で200万円~を想定しておきましょう。

新品と中古について

ピアノは中古市場がしっかりと出来上がっていますので、初期コストを抑えたい時には、中古品を購入するという選択肢が思い浮かぶはずです。グランドピアノの場合、新品で購入するのと比較すると、1/3程度の費用で購入できる場合もありますし、かなりの負担軽減につながります。

ただ、一般の方がグランドピアノを購入する場合、予算に余裕があるのであれば新品の購入がおすすめです。というのも、中古品の目利きは非常に難しいもので、一般の方が中古のピアノを購入する場合、状態がかなり悪いものを購入させられてしまうケースもあるからです。

なお、予算的に中古品しか手が出ない…という場合には、ヤマハやカワイ直営店が運営している中古ショップで購入するのがおすすめです。基本的に都市部にしかありませんが、中古でも品質がしっかりと保たれている物しか置かれていないので、安心してコスト削減を目指すことができます。

一般家庭ならコンパクトグランドピアノという選択肢も

一般家庭でのグランドピアノの設置は、やはりその大きさがネックになる場合が多いです。例えば、グランドピアノが搬入できない…、ピアノを置いてみるとギリギリの大きさすぎて音響環境が悪いなどと言った問題で、グランドピアノの購入自体を後悔する方も少なくないと言われています。

もしあなたが、グランドピアノの大きさで購入を躊躇しているのであれば、コンパクトグランドピアノという選択肢があります。コンパクトグランドピアノは、2畳ほどの設置スペースがあれば良いので、6畳の部屋を防音室に作り替えると、余裕をもってグランドピアノを設置することが可能です。

ピアノを置いてもスペースに余裕がありますので、本棚や机なども設置することができ、ピアノ専用ルームとして使用しなくても構わないなど、部屋の利用用途が広がるというメリットも得られるのです。

機能的な問題はないの?

コンパクトグランドピアノは、グランドピアノを一回り小さくしていますので、その見た目から「グランドピアノとはタッチなどが異なるのでは?」と不安に感じる方もいるようです。

ただ、小さくてもグランドピアノであることは間違いないので、アップライトピアノにはないグランドピアノ特有の構造はそのまま継承しています。アップライトピアノとグランドピアノ最大の違いは、鍵盤の構造の違いにあり、「アクション」の構造が大きく違うことからアップライトピアノではできないことがたくさん生じます。

コンパクトピアノは、サイズが小さくても大きいグランドピアノと同じ構造、同じ使い方になっていますので、「サイズが小さいから練習にならない!」ということはありません。例えば、200万円以上かけて高級なアップライトピアノを購入することを考えると、100万円前後で購入できるコンパクトグランドピアノの方が、ピアノ特有の繊細な演奏の練習には向いています。これは、鍵盤やペダルの構造・音の出方がアップライトピアノとグランドピアノではことなるからで、コンパクトグランドピアノは、小さいだけで構造はグランドピアノだからです。

まとめ

今回は、一般家庭にグランドピアノは設置できるのかについて、購入前におさえておきたいポイントについて解説しました。

記事内でご紹介したように、グランドピアノは、そのサイズや価格の問題から、一般家庭に置くピアノとしてはなかなかハードルが高いと考えられています。もちろん、フルコンサイズのグランドピアノなどになると、一般住宅に設置するのはかなり難しく、また設置する意味も少ないです。ただ、グランドピアノにはさまざまなタイプが用意されていて、部屋に最適な大きさの物を選ぶことができるようになっています。

一般住宅で、6畳程度の防音室を作ることを想定した場合、奥行きが180cm以内のグランドピアノを選べば、問題なく設置して練習ができると思います。なお、グランドピアノを購入する時には、「部屋に置けるサイズ」だけに注目し失敗する方も少なくないので注意しましょう。グランドピアノは、設置予定の部屋までの搬入経路のこともきちんと考えておかなければ、いざ搬入の日になって部屋まで持っていくことができない…なんてことになりかねません。

この辺りは、ピアノを購入する楽器店の方としっかりと打ち合わせを行いましょう。

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