ブログ

防音工事業者を選ぶときのポイント!実は見積りの安さではなく、防音室のショールームを確認すべき!

自宅に防音室を作りたいなど、専門業者に依頼して防音工事を行ってもらいたいと考えた時には、「どの防音工事業者に工事を依頼すれば良いのか?」という問題がまず立ち上がります。インターネットで防音工事について検索してみると、さまざまな防音工事会社のホームページがヒットしますが、どの業者が高い技術力を持っているのか見分けることができずに困ってしまうという方は非常に多いと思います。特に、コロナ禍以降は、防音工事の需要が急激に高まっており、新たに防音工事業界に新規参入してきた業者が増えていて、選択肢は増えているものの工事後に防音室の性能に不満を持ってしまう…という残念な話も耳にするようになっています。

防音工事の業者選びでは、複数の業者に連絡し、相見積もりをお願いして、最も安価な会社に防音工事を依頼するという選び方が多いのですが、この方法では業者の技術力を判断することはできません。もちろん、防音工事にかかる費用は安いに越したことはありませんが、防音室の利用目的に見合わない性能の低い防音室が出来上がると、かけたコストは全て無駄になってしまいます。したがって、何よりも性能が重要な防音室工事では、見積り金額の安さではなく、高い技術力と防音に関する知識を持った業者を見分けることが非常に大切なのです。

そして、防音工事会社の技術力を見分けるには、業者が用意している防音室のショールームなどを確認するのが一番です。そこでこの記事でが、防音工事を依頼する業者選びの際、防音ショールームを確認することで得られるメリットについて解説します。

防音ショールームにも種類がある

防音室のショールームは、防音工事を考えている方が、実際に防音室の中で音を鳴らした場合、どの程度音を小さくすることができるのかを体験することができる場所です。防音室は、全ての住宅に設置されているようなものではなく、自宅で楽器の演奏を行う、ホームシアターを設置したいなど、大きな音を伴う行動をする方が特別に作るものです。そのため、防音室の存在は知っているけれど、設置することでどれほどの効果があるのか不安に感じるという方が多いのです。

防音工事会社や、ユニット型防音室を販売するお店などは、こういった消費者の不安を解消するため、工事の契約をする前に防音室を体験してもらい、納得できるような体制を取っているわけです。ただ、一口に防音ショールームと言っても、いくつかの種類があるので、ここではそれぞれの特徴を簡単に解説します。

楽器店に設置されている防音ショールーム

楽器用の防音室では、専門業者に工事を依頼して一から作るものではなく、ヤマハやカワイと言った国内の大手楽器メーカーが販売しているユニット型防音室を購入し設置するという方法もあります。ユニット型防音室は、高い防音性を保持したプレハブ小屋のような物で、防音室の利用用途に合わせて最適な大きさの防音室を選ぶことができます。このタイプの防音室は、既存の部屋に防音工事を施すわけではなく、部屋の片隅に設置するといった方法で防音室を実現するため、防音工事と比較すると、短工期で安価というメリットがあります。ただ、実際に防音室を利用してみればわかりますが、工場で製造される製品なので、画一的な性能になってしまうことから、利用者の好みに合わせて音響環境を作ることができないなど、応用性が低い点がデメリットです。

このようなユニット型防音室に関しては、ヤマハやカワイの楽器を販売している楽器店などで購入することが可能です。そして、ある程度の規模を持つ楽器店の中には、顧客が防音室の体験をできるように、店内にユニット型防音室を設置して、防音室の性能を確認できるようにしている場合があるのです。もちろん、ユニット型防音室の設置はスペースを取るため、全ての楽器店で体験できるわけではありませんが、大都市圏の大きな楽器店の場合、結構な確率で体験できるようになっています。

なお、ヤマハやカワイの公式サイトで確認すれば、ユニット型防音室の体験ができる場所が紹介されているので、近くにあれば足を運んでみても良いのではないでしょうか?

> ヤマハ「アビテックス」の体験ルーム
> カワイ防音ルーム「ナサール」展示場

防音工事会社が用意している防音ショールーム

二つ目は、我々のような防音工事会社が、お客様に防音室の体験をしていただくために作っている防音体験ルームです。防音工事を専門とする業者の多くは、防音工事を検討している方に対して、防音室を作ることでどのようなメリットが得られるのかを体験していただくため、実際に防音工事を施したショールームを用意しています。これは、多くの方が防音室の中に入ったことがないため、防音室を作るとどうなるのかがイメージできないためで、工事契約の前にどのレベルの防音室が作れるのかを体験してもらい、納得して工事に挑んでもらえるようにするのが目的です。

音は、人の目では確認することができませんし、さらに音の感じ方は人それぞれだという特徴があることから、防音室に求められる性能が案件ごとに変わるという特徴があります。もちろん、防音室が必要になる理由もお客様によって変わるわけですので、自分が生じさせる予定の音をきちんと防げるような防音室を本当に作ることができるのかは、事前に確認したいと考える方がほとんどのはずです。防音工事会社側も、消費者のこういった要望を理解しているため、いつでも防音室の体験ができるような施設を設けている場合が多いです。

なお、防音工事会社が作る防音ショールームは、自社の技術力の証明にもなりますので、高い技術力を誇る会社は、ほとんどの場合、ショールームを用意しています。阪神防音では、皆様が足を運びやすい大阪駅近くにショールームを用意していますので、防音室の明確なイメージが欲しいという方はお気軽のお越しください。

> 阪神防音の防音体験ルームについて

実際に工事を行ったお宅を見せてもらえる場合も

最後は、防音工事に悩んでいる方ように作ったショールームではありませんが、過去に防音工事業者が工事を行った実際のお宅の防音室をショールームとして見せてもらうことも可能です。上述した防音ショールームは、防音工事の需要が最も高い楽器用防音室を想定して工事が行われている場合がほとんどです。そのため、ホームシアターやカラオケ、自宅スタジオなどの用途で防音工事を検討しているという方の中には、ショールームを見ても「自分とは用途が異なるしな…」と全ての不安を解消することができない場合もあります。

このような場合、防音工事会社に相談すれば、過去にその業者が工事を行った防音室で、似た条件の防音室を見せてもらえる場合もあるのです。例えば、普通に生活をしている他人のお宅にある防音室だとか、商業用のスタジオや音楽教室など、相手方に見学したいことを業者が相談してくれます。
実は、阪神防音のような防音工事を専門とする業者は、ショールームの重要性を理解していますので、防音工事の際に「将来的に、見学希望があった際は、ショールームとして利用させてもらって良いですか?」ということを事前にお伺いしているのです。そして、ショールーム利用を認めてくれたお客様には、防音工事費の割引き対応を行うなどと言ったメリットを提示していますので、実際に工事を行った方の声を確認することも可能です。
もちろん、全ての業者が行っていることではありませんが、多くの防音室を確認してみたいと考えるのであれば、工事前に相談してみても良いと思います。

防音ショールームに足を運ぶメリット

それでは、防音工事に迷った時、防音ショールームに足を運ぶことで得られるメリットについても解説します。防音工事は、非常に専門性が高い工事ですし、その効果を目で確認するような物ではないため、わざわざ時間を作ってショールームに足を運ぶメリットはないのではないか…と考える人も多いです。

しかし実は、工事前に防音ショールームを確認するのには、以下のようにさまざまなメリットがあるのです。ここでは、代表的なメリットをご紹介します。

①防音室を作った後を明確にイメージできる

一つ目のメリットは、防音ショールームに足を運ぶ目的でもあるのですが、自宅に防音室を作った後のことを明確にイメージできるようになるというものです。ショールームは、今まで防音室に入ったことがなく、防音工事による効果をイメージできない人に向けて作られていると解説しましたね。逆に言えば、そういった方が、実際に防音室の中で音を出し、音漏れをどれほど少なくできるのかが、実体験することができるようになるのです。

したがって、防音工事にかかる費用が自分にとって妥当なのかどうかを判断しやすくなり、防音工事の契約をするかどうか決断することができるようになるはずです。防音ショールームを事前に確認しておけば、自宅に防音室を作った後のことを明確にイメージすることができ、その必要性がわかるようになるはずです。

②防音工事会社の技術力を確認できる

二つ目のメリットは、防音ショールームの性能を確認することで、施工業者の技術力を確認することができる点です。

防音工事は、一般のリフォーム工事とは異なり、目に見えない音の問題を解消するのが目的です。内装リフォームは、綺麗になったかどうかで判断することができるため気に入らなければ完了前に手直しを依頼することができます。防音工事は、実際に防音室が完成した後、その中で音を出してみなければ音漏れがあるのかどうかが分かりません。さらに、そもそも防音室がどの程度の能力を発揮するものなのかを知らない人が多い為、工事後にその性能に不満があっても「防音室とはこのようなものです」と押し切られてしまう可能性もあります。

防音工事会社の技術力は、見積書や設計図を見ただけでは判断することができません。しかし、実際にその業者が作った防音室を体験すれば、本当に音を防ぐ能力を持つ防音室が作れるのかどうかを確認することが可能です。
ちなみに、防音ショールームは、自分たちの技術やスキルをお客様に確認させるためのものですが、これを用意している業者は自分たちの技術に自信を持っているという表れでもあります。防音ショールームの有無は、施工業者を選ぶ際の目安としても重要なポイントになるはずです。

③工事業者の対応や相性を確認できる

三つ目のメリットは、防音ショールームに足を運ぶことで、工事業者の対応力や自分との相性を確認することができるという点です。

業者の対応については、問合せへの返答や現地調査、見積りの提出時などにも確認することもできますが、防音ショールームなど業者側の施設に足を運べば、見積りなど、いつも対応してくれる担当者以外のスタッフさんに会うことができ、企業としての対応力を確認することが可能です。例えば、防音ショールームに足を運んだ際、「顧客が来店する場所なのに散らかっている…」「受付時の対応などが悪い」などと言った場合、その業者に工事を依頼するのは躊躇しますよね。防音ショールームに行けば、こういった細かな業者の対応力なども確認することができますので、安心して工事を依頼できるよう会社なのか慎重に判断することが可能です。

また、ショールームに足を運べば、1時間程度、業者側の担当者さんと一緒に行動することになるため、自分とその担当者さんの相性が悪くないか確認することも可能です。防音工事は、施工完了まで2週間程度かかるような工事ですし、何か気になることがあった時に気軽に要望を伝えることができる担当者さんについてもらうのがおすすめです。人と人の相性は、ある程度の時間を共にしてみないと判断がつかないので、防音室の体験という時間は非常に有効に使えると思います。

まとめ

今回は、自宅に防音室を作りたいなど、本格的な防音工事を検討している方に向け、防音工事会社が用意している防音ショールームを確認することで得られるメリットについて解説しました。

記事内でご紹介したように、防音工事は、誰もが行うような工事ではなく、大きな音を生じさせる趣味がある、仕事をしているなんて方が、特別に行う工事です。したがって、防音室を作ることでどのような効果が得られるのか、具体的にイメージできなくて防音工事の依頼を躊躇するという方も少なくないと言われています。

ただ、防音工事を専門とする業者の中には、工事契約の前に、本格的な防音室の体験ができるショールームを作っている場合も多くなっています。これは、お客様に防音室の効果を具体的にイメージしてもらうことができるうえ、自分たちの技術力を証明することができるということから、業者側にもコストをかけるだけのメリットがあるためです。現在、防音工事について、「どれほどの効果が得られるか分からないし…」と言った理由で迷っている方がいれば、一度防音ショールームに足を運んでみてはいかがでしょう。