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ドラム防音室の防音工事について

ドラムの防音室を作るのであれば、音だけでなく、防振にも気を配る必要があります。ドラムは重低音が発生するため、建物を伝い、外に音が漏れていきます。この問題を解消するためには、高性能な浮構造の設計・施工が欠かせません。音が伝わる床や天井、壁などの防振構造を施すことで、振動も軽減され全体的に遮音性能が高まります。防音が効いた部屋を目指すなら、遮音性能を表すD値を60〜65にする必要があります。

今回は、そんなドラムの防音室の防音工事について解説します。

>バンド・ドラム防音室の防音工事の費用と特徴はこちら

ドラムの防音室を作るなら振動の対策を忘れない

ドラムの練習のために、防音室を作ろうとしている場合、以下に注意しましょう。

・振動によって発生する音の注意

・内部からと外部からの騒音に注意

・室内の響き音や反射音で音質に注意

ドラムは、ただ音を遮るようにするだけでは、防音といえません。
叩くという楽器の特性上、振動の対策もしておく必要があります。

ドラム防音室の遮音・防振設計は近隣トラブル回避のために必須

住宅街において、120デシベルでドラムを叩いていれば、すぐさま、近隣トラブルにつながってしまいます。トラブルを避けるには、遮音と防振設計が必要になります。
ドラムを叩くと、重低音が建物を伝い、外に音が漏れていきます。この問題を解消するためには、重低音に強い施工が重要で、高性能な浮構造の設計・施工が求められます。
防音装置が施されている部屋でも音が聞こえるのは、床を伝わって壁や天井や床に入射した音が壁を伝わって外に放射されるためです。
そのため、床や天井、壁などの防振構造(浮遮音層)を作ることが必要です。浮かせることで音だけでなく振動も軽減され全体的に遮音性能を高くします。

50〜65デシベルで発生した損害賠償事例

実際に50〜65デシベルの騒音が原因で損害賠償が発生した事例があります。
この事例はマンションで発生しており、階下の住人が上に住む住人の騒音に悩まされたことで訴えました。再三にわたって改善依頼をするも、改善が認められなかったため、36万円の慰謝料支払いが命じられました。
50〜65デシベルの騒音がどれくらいかは以下の表が参考です。

会話が成り立つ目安 聴覚的な目安 騒音の大きさ 具体例 人の声の例
不可能 聴力に障害が発生 120デシベル 飛行機のエンジン近辺・近くの落雷
110デシベル 自動車のクラクション(直近)
ほとんど不可能 きわめてうるさい 100デシベル 電車が通る時のガード下・地下鉄の構内 声楽のプロが歌う声
90デシベル カラオケの音(店内中央)・犬の鳴き声(直近) 怒鳴り声
大声で0.3m以内なら可能 うるさい 80デシベル 走行中の電車内・救急車のサイレン・パチンコ店内 かなり大きな声
大声で1m以内なら可能 70デシベル 高速走行中の自動車内・騒々しい事務所の中・セミの鳴き声(直近) 大きな声
大声で3m以内なら可能 普通 60デシベル 走行中の自動車内・デパートの店内・普通の会話 普通の声
普通の声で3m以内なら可能 50デシベル 家庭用エアコンの室外機(直近)・静かな事務所の中 小さな声
普通の声で10m以内なら可能 静か 40デシベル 静かな住宅地の昼・図書館内 ささやき声
30デシベル 深夜の郊外・鉛筆の執筆音 小さなささやき声
5m先のささやき声が聞こえる きわめて静か 20デシベル 木の葉の触れ合う音・雪の降る音 小さな寝息

 

この表のように、50〜65デシベルは、近くにある家庭用エアコンの音以上、近くのセミの鳴き声以下と、日常の生活で発生しえる大きさです。それほどの音ですら訴訟問題になるため、ドラムを演奏する際、防音工事は欠かせないのです。

防音の効いた部屋にするにはD値を60〜65にする

遮音性能はD値という等級で表されます。この値は、

*発声する音 − 聞こえてくる音

という式で求められます。

例えば発声する音が80デシベル、聞こえてくる音が40デシベルとして場合、

遮音性能は40Dです。
D値が高いほど音は大きくなり、低いほど音は小さくなります。防音の効いた部屋を目指すのであれば、D値は60〜65になるようにしましょう。

残響時間は短めに設定する

室内の響き(残響時間)は、響きすぎると音楽の邪魔になる反面、響きが少なすぎると音楽に味がなくなります。そのためにも、室内の響きは大切でやや短めの残響時間を設定しなければいけません。
快適な音空間を実現するためには、音質を悪くする反射音にも注意が必要です。特に鏡を使った反射面がある場合は注意しましょう。
平行する反射面の対策としては、拡散処理や吸音処理を施します。

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