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騒音トラブルが急増中!音の問題を抱えやすい人の特徴と騒音トラブル防止の注意点

今回は、新型コロナウイルス問題以降、急増していると言われる騒音トラブルについて解説していきます。騒音トラブルと聞くと、近所に常識外の行動をとる人が住んでいて、嫌がらせ目的など、意図的に引き起こされる問題と考えている方が多いかもしれませんね。実際に、現在新築される住宅は、建物そのものの防音性能がかなり向上していることから、多くの方は「ちょっとやそっとの音でトラブルに発展することはない!」と考えてしまっているようです。

確かに、住宅の高気密・高断熱化が進んでいる現在では、建物が持つ防音性については一昔前とは比較にならないほど向上しています。しかし、いくら防音性が高い住宅になったとしても、人々の生活空間が近くなっていることで、騒音問題に発展することが増加しているのです。特に、コロナ禍以降は、テレワークの導入などにより、人々の在宅時間が長くなったことから、騒音を原因とした近隣トラブルが3割以上も増加しているというデータも存在しています。

それでは、こういった音の問題は何が原因で起きているのでしょうか?実は、音の問題を抱えやすい人には、ある共通する特徴があると言われています。そこでこの記事では、騒音源になってしまいがちな人の行動パターンや騒音問題を防止するための注意点について解説します。

騒音トラブルの現状

まずは、住空間における騒音トラブルの現状について、国が定期的に行っているマンション総合調査結果内のデータをご紹介します。マンションやアパートなどの集合住宅は、多種多様な生活習慣を持つ方が同じ建物内で生活することになります。そのため、些細なことが大きなトラブルにまで発展してしまう危険が常に潜んでいると言われています。特に、日常生活の中で、誰もが生じさせてしまう生活音を原因としたトラブルが急増していると言わているのです。

マンション総合調査結果によると、集合住宅で発生する住民間のトラブルに関しては、長年「違法駐車・違法駐輪」がトラブル原因の第一位だったとされています。しかし、平成30年度版では生活音が、トラブル原因の第一位になっているのです。

  • 第1位 生活音(38.0%)
  • 第2位 違法駐車(28.1%)
  • 第3位 ペット飼育(18.1%)
  • 第4位 共用部分への私物の放置(15.1%)
  • 第5位 バルコニーの使用方法(12.9%)

参考資料:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果

平成30年度マンション総合調査結果を確認してみると、住民間のトラブル原因については、上記のような割合になっていて、生活音が圧倒的な1位に躍り出ています。また、3位にペットの飼育が入っているのですが、これにはペットの鳴き声を原因とする騒音トラブルも含まれていますし、実質的には集合住宅でのトラブル原因の内、過半数が『騒音』となっているわけです。
ちなみに、集合住宅における騒音問題に関しては、騒音源となっている住人さんが自分が音で他人に迷惑をかけている事実を認識していないケースがほとんどだと言われています。というのも、集合住宅の騒音問題は、「上の階の足音が」「掃除機や洗濯機の音が」と言ったことでトラブルになるケースが多いようで、普通に生活しているだけで騒音源となってしまっているからです。

こういったことから、生活音を原因とする騒音トラブルについては、他人に不快な思いをさせてしまう『騒音』がどういったものなのかを知識として持っておき、普段の行動を見直すことが最も近道になると考えられるのです。

音の問題を抱えやすい人の特徴について

それでは、本人は普通に生活しているだけなのに、音の問題を抱えてしまいやすい方の特徴についてご紹介します。当然のことですが、人が日常生活を進める上では、誰もが無音で過ごすことなどできず、さまざまな音を生じさせることになります。集合住宅などであれば、部屋の中を歩いているだけで、階下の人から「足音がうるさい」と苦情を言われることもありますし、掃除機やエアコンの室外機など、誰もが日常生活で使用する家電製品の音でトラブルが発生するケースもあるようです。これらの生活音について、「誰もが生じさせる音」な訳で、本来はお互い様と考えて気にしないようにするのがベストなはずです。

ただ、以下のようなケースでは、近隣の方が音の問題の積み重ねで爆発してしまう…なんてことも考えられます。ここでは、近隣の方との騒音問題を抱えやすい人の特徴をいくつかご紹介しますので、自分の行動を見直してみましょう。

周囲への気配りがない

日常生活の中で誰でも生じさせてしまうような生活音で騒音源となってしまいがちな人は、周囲への気配りが不足しているもしくは、意識していないのが特徴と言えます。

そもそも音の感じ方(聞こえ方)は人によって異なるという認識が無い人も多く、「自分はうるさいと感じていないから、他の人に迷惑などかけていない」と勝手に判断してしまう人が一定数いるのです。例えば、深夜に大音量でテレビを見る、楽器の演奏をする、友人を呼んで宴会をするなどと言った行為は、近隣の人に騒音で迷惑をかけると普通に想像できるはずです。

しかし、中には「自分は気にならない」という考えからか、周囲への気配りをせず、好き放題大きな音を出してしまう人もいるわけです。こういった特徴を持つ方は、当然、騒音トラブルの原因となってしまう可能性が高いです。

近隣の人との関係が薄い

これは、現在の日本の都市部では、当たり前と言えるような状況ですね。このコラムを読んでいただいている方の中にも、自宅近くやマンションのエントランスで近所の方と会っても、挨拶すらしないなんて方も多いのではないでしょうか。最近では、自分の隣にどんな人が住んでいるのかすら把握していない人が多く、地域社会のつながりはかなり希薄になっています。

そして、こういった状況は、騒音トラブルの増加に密接に関係していると言われています。なぜなら、音の聞こえ方は、その時の状況や気持ちによってかなり異なるものだからです。例えば、同じ赤ちゃんの泣き声でも、仲良くしている方の家から聞こえてきた場合、「○○さんも大変ね。赤ちゃんは泣くのが仕事だししょうがない」などと騒音に感じないものですが、全く知らない人の赤ちゃんだと「うるさい!」と感じてしまうものなのです。

つまり、普段からご近所の方ときちんと関係性を作っておけば、ある程度の音ならトラブルにまでは発展するようなことは少なくなるわけです。さらに、会話できる関係性ができていれば、大きなトラブルに発展する前に、話し合いを持つことができますので、お互いの妥協点を作ることも可能です。近年の騒音問題は、人々の関係性が希薄になっていることも一つの要因ですので、可能な限り良好な関係性を持つのがおすすめです。

決められたルールを守らない

最後は、誰もが「トラブルになって当然」と考えるような特徴です。しかし、この理由で騒音トラブルを引き起こす人はかなり多いので注意が必要です。

例えば、楽器の演奏が禁止されている集合住宅で楽器を演奏するとか、ペット禁止の物件でペットを飼育するなど、決められたルールを守らない人は騒音源となりやすいです。なお、この理由については、騒音主が一方的に悪い場合がほとんどですので、近隣の方からクレームを言われるのは当然です。

騒音トラブルを防止するためのポイント

それでは最後に、近隣の方との騒音トラブルを防止するための対策についても簡単にご紹介します。

近隣の方との良好な関係を作っておく

騒音トラブルと関係がなさそうに思えますが、実は非常に重要なポイントになります。上でご紹介したように、音は「誰が出しているのか?」によって受け取り方がかなり変わります。近隣の方との余計なトラブルを防止したいのであれば、事前に近隣住人さんと良好な関係を作っておくのが非常に効果的なのです。

方法としては非常に簡単で、引っ越ししてきたときには、近隣の方に挨拶回りに伺うだけでかなり印象が良くなるはずです。集合住宅の場合は、隣接する住戸と上下階の住戸、戸建ての場合は隣接する住戸に挨拶回りに行っておきましょう。また、日常生活の中で出会った時にも、欠かさずに挨拶をしておけば、あなたの印象は良くなるでしょう。
なお、自宅でペットを飼っている、楽器の演奏を行うなど、生活音以上の大きな音を生じさせる可能性がある場合は、その音で迷惑をかけてしまう可能性があるので、事前に伝えておくと良いでしょう。専用の防音室を作る場合以外は、音漏れを防ぎきれないので、近隣の方と話し合って、楽器を演奏しても良い時間帯などのルールを作っておくと、トラブルを未然に防げます。なお、深夜も楽器の演奏を行うというのであれば、防音室が必須です。

音の問題は、人間関係の作り方で効率よく防ぐこともできますので、出来るだけ良好な関係を作るように心がけましょう。

近隣住人に配慮する

決められたルールは守るというのは当然として、特にルールなどが設けられていない部分についても、近隣住人に配慮しなければいけません。

例えば、夜遅くにテレビや映画を見る場合は、隣接する住戸に音が漏れないよう、普段よりも音量を落とすようにするとか、戸建て住宅でも、防音室が無いなら楽器の演奏は昼間だけにするなど、近隣の方が音を迷惑に感じなくて良いよう、音の発生源側が配慮しなければいけません。この他にも、集合住宅では、深夜の排水音などでトラブルになるケースもあるようです。排水音に関しては、仕事の関係から深夜にお風呂に入らざるを得ない場合もありますが、そうではない場合、近隣の方に配慮して音が迷惑にならないような時間にお風呂に入るなどと言った対策を行うと良いでしょう。

なお、自宅で楽器の演奏を行う、ホームシアターやカラオケを設置するといった場合には、大きな音が生じると想定できますので、防音室を用意するのが音源側の責任と考えた方が良いでしょう。

苦情があった時の対処について

最後は、騒音に関する苦情ができた時の対処です。残念ながら、音の感じ方は人それぞれですので、自分では周囲に配慮して音を出さないようにしていると考えていても、他の人にはうるさいと感じられてしまうケースは普通にあります。

したがって、騒音の苦情があった時には、自分の行いについて、もう一度振り返ってみましょう。例えば、楽器の演奏が禁止されているのに演奏した…、ペット禁止なのにペットを飼育していた…という場合、苦情が入るのは当然のことなので、反論することはできません。この場合、楽器の練習が認められている物件やペットOKの物件に引っ越しするしかないでしょう。
ただ、楽器の演奏やペットの飼育が認められている場合、なかなか難しい問題です。この場合、騒音源となっている方も、「ペット可」や「楽器可」の条件を気に入ってそこに住んでいるわけですので、「ルールとして認められているものを他の住人に禁止される筋合いはないのではないか」と感じると思います。しかし、ペット可や楽器可は、「騒音を出しても良い」という意味ではないため、苦情が出た時には騒音源側が何らかの対策を求められる可能性が高いです。したがって、まずは素直に謝罪し今後のルールなどを話し合うと良いでしょう。

音の問題は難しいもので、自分はルールを守っているのに、相手の感情でクレームを入れられてしまうケースもあります。この場合は、管理会社などに相談し対応してもらうのがオススメです。自分で強固な対応をしてしまうと、余計なトラブルに発展する恐れがあります

まとめ

今回は、日常生活の中に潜む騒音トラブルについて、音の問題を抱えやすい人の特徴を解説しました。この記事を読んでみて、心当たりがあるな…と感じた方がいれば、可能な範囲で普段の行いを見直してみるのがおすすめです。

なお、楽器の演奏やホームシアター、自宅カラオケなど、生活音とは比較にならないほど大きな音を生じさせる場合には、我々のような防音工事業者による防音対策が必要と考えた方が良いです。近年では、人々の生活空間が近くなっているうえ、在宅時間が長くなっていることから、楽器などの大きな音を生じさせるとすぐにクレームに繋がります。騒音は、一度気になってしまうと、とことん気になるものなので、苦情を言われてから対策を行う場合、必要以上に防音性を高めなければならなくなり、余計なコストがかかってしまう場合があります。

近隣の方と良好な関係を維持するためにも、音の問題は事前に解消するのがおすすめです。