「静かな部屋=快適」と思っていませんか?
たしかに、外の騒音が少なく、落ち着いて過ごせる空間は理想的です。しかし、あまりにも“静かすぎる”環境は、実は心や体にとって負担になることもあるのです。
音を吸収しすぎた空間では、耳や脳が必要以上に敏感になったり、人の声がこもって聞こえたりといった現象が起こります。この記事では“静かすぎる部屋”が抱える意外な問題と、心地よい静けさを保つための工夫を紹介します。
■静かな部屋は本当に良い?

家が“静かすぎる”のは良いこと?
最近の住宅では断熱の観点から気密性が高くなっています。そして、気密性の向上にともなって、外の音をしっかり遮ることができるのが一般的になってきました。
さらに静かな部屋を求め、専門的な防音工事などを行った場合には、室内外からの音漏れを完全にシャットアウトするレベルの防音室なら、室内は“無音状態”に近づくことがあります。
しかしながら、静かな部屋が良いからといって、あまりにも無音すぎる空間は、実は人にとって心地よいとは限らないのです。
音を吸収する素材
静かな空間は、音を反射させるものが少ないことも関係しています。
例えば、
- 厚手のカーテン
- 吸音パネル
- 布張りのソファやラグ
- 吸音性の高い壁材
など、「音を吸収する」素材は静かな空間づくりに役立ちます。
これらは生活音や反響を抑えるのに効果的ですが、特に吸音パネルや壁材などは、過剰になると“音がこもる”“人の声が聞き取りにくい”といった逆効果になることも。
コロナ禍以降、自宅での仕事や配信活動が増え、静かな空間づくりが注目されました。しかし、遮音性ばかりを高めた結果、「息苦しい」「耳が詰まったように感じる」ということもあります。
つまり、「静けさ=快適」とは限らないのです。
■静かすぎる部屋がもたらす意外な影響

1. 耳が過敏になる
人の耳は、周囲の音環境に合わせて感度を調整する機能を持っています。
しかし、音のない空間ではそのバランスが崩れ、小さな音に過敏に反応するようになるのです。
例えば、
- 時計の針の音が気になる
- 隣の部屋のドアの開閉音がやけに大きく感じる
- 自分の呼吸音が耳につく
こうした感覚は“サウンド・デプリベーション(音の欠乏)と呼ばれる現象に近く、音が少なすぎる状態に長時間いることで起こります。
2. 声がこもって聞こえる
吸音しすぎた部屋では、自分の声がこもって聞こえがちになります。
何となく声がクリアに聞こえない、という時は、音が壁や床で反射せずに吸収されているといえます。人の耳は適度な反響を通じて自分の声の大きさを判断しているため、反射が少ないと違和感を覚えます。
3. 精神的な落ち着かなさ
静かすぎる空間では、周囲の環境音がなくなるため、心理的な「孤立感」を感じやすくなります。
無音状態は一見落ち着くようで、長時間続くとむしろ不安を感じることもあります。
人間は本能的に、風の音や鳥の声、生活音などの“環境音”を心の安全信号として受け取っているため、音が全くない状態は「異常な静けさ」として脳がストレスを感じるのです。
4. 睡眠にも影響が出ることがある
静かすぎる寝室では、かえって緊張して寝付きにくいといわれています。
いわゆるホワイトノイズと呼ばれる適度な環境音がある方がリラックスして眠りやすいため、完全な無音環境は眠りの質を下げる可能性があります。
■心地よい“静けさ”を保つためのバランス設計
静けさは、少しの工夫で「過剰」から「ちょうどいい」に変えられます。ここでは、日常の中でできる簡単な調整法を紹介します。
1. 適度な“反射”を残す
部屋のすべてを吸音素材で覆うのではなく、反射面をバランスよく配置することが大切です。
- 壁の一部を木材や石調素材にする
- 床にラグを敷きすぎない
- 大きな窓をカーテンで完全に覆わない
このように、音の反射と吸収を組み合わせることで、自然で心地よい響きになります。
2. 生活音や環境音を“味方”にする
完全な無音を目指すのではなく、自然な音を取り入れるのもおすすめです。
- 小さな音量で音楽を流す
- 窓を少し開けて外の生活音を感じる
- 空気清浄機や加湿器などの“環境ノイズ”を活かす
一定のリズムを持った音は、人の集中やリラックスを助けることがわかっています。カフェのような環境音をBGMとして流すのもおすすめです。
3. 吸音アイテムを部分的に使う
吸音材やパネルは、部屋全体ではなく「必要な場所」に使うのがコツです。
- テレワーク時の後ろの壁だけ吸音する
- ドア近くの反響音を抑える
- 部屋の中央は残響を活かす
音を“完全に消す”のではなく、“整える”感覚を意識しましょう。
■“静けさ”と“音のぬくもり”のちょうどいい関係

音のある空間は人間らしい
自然界に完全な無音は存在しません。
風の音、鳥のさえずり、雨の音——そうした音は人に安心感を与えます。
家の中でも、冷蔵庫の運転音や時計の音など、ほんのりとした生活音がある方が落ち着く人が多いのです。
音がまったくない状態よりも、“小さな音がある空間”の方が、人は自然に過ごせるということです。
テレワークや在宅生活における「音の環境」
仕事に集中するために静けさは必要ですが、行きすぎると逆に疲れを感じやすくなります。
軽いBGMや自然音を流すことで、脳がリラックスし、作業効率もアップします。
実際、カフェで作業がはかどるのは、一定の雑音が心地よく感じられるためとも言われています。
音を“敵”ではなく“味方”にする
防音や吸音の目的は「音を完全に消すこと」ではなく、「心地よい音の環境をつくること」です。
- 静けさを整える
- 必要な音を残す
- 生活音を自然に取り入れる
このバランスが取れてこそ、本当の意味で快適な空間になります。静かな部屋は魅力的ですが、「静かすぎる空間」は心身の調子を崩すこともあります。
ほどよい静けさ、心地よい響き。
それが、私たちの暮らしや仕事を豊かにしてくれる“音との共存”の形です。
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